*都立戸山高校・1956(昭31)年卒業生の資料 画面右の×印で閉じます。   昭和31年卒のページにはここから Count = 870
『都立戸山高等学校・昭和34年卒業の畑村洋太郎氏』の情報です。

畑村洋太郎氏監修のNHKドラマが放映されました。

ドラマ10『ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~』
【放送予定】2019年10月18日スタート 総合 毎週金曜22時から22時49分 <連続10回>
【作】八津弘幸(「陸王」)、徳尾浩司、吉田真侑子    
【主題歌】[ALEXANDROS]
【出演松雪泰子(工学者・天ノ真奈子)  堀井新太  須藤理彩 高橋メアリージュン  余貴美子  ほか
【制作統括】 小林大児 髙橋練(NHK)
   
【失敗学監修】畑村洋太郎(東京大学名誉教授 著作「失敗学のすすめ」ほか)
===以上 NHK情報============以下 追加情報

畑村洋太郎東大名誉教授(昭34卒)の経歴と業績。

『畑村洋太郎東大名誉教授(昭34)』は、戸山高卒(1959)=>東大工学部修士=>日立製作所入社(1966)=>東大助手(1968)=>教授(1983)=>2001年定年退官、名誉教授=>NPO法人失敗学会設立で著名ですが、2011年5月 - 政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長を勤められました。

各種活動については「畑村創造工学研究所ホームページ」が貴重です。 ご著書は多数になりますが、特徴的なものを示します。画像をクリックすると、アマゾン書店で購入できます。


天災と国防(国土防衛):寺田寅彦著 畑村洋太郎解説 2011/06/09第1刷
●「日本のように特殊な天然の敵を四面に控えた国では、陸軍海軍のほかにもう一つ科学的国防(国土防衛)の常備軍を設け、日常の研究と訓練によって非常時に備えるのが当然でないかと思われる」寺田寅彦1934年(昭9)●寺田の主張は正論だが人々の「忘れっぽさが実現を阻む」畑村●「3日、3年、30年で人は忘れ、300年で社会的に忘れ、1200年では文書が無ければ空白」●「責任追及と原因究明の分離」まずは事故の再発防止に結びつく原因究明を優先して行い、そこで得られた知識をオープンにして社会の共有財産にすることが大切。裁判証拠は非公開・廃棄の可能性大。
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未曾有と想定外 畑村洋太郎著 2011/07/20第1刷
●「未曾有の災害と言うまえに、実態を知るべき」●日本は地殻プレートで、北と西に分断されている。●この為、東西の主要交通路は「糸魚川市の親知らず」、「長野県の諏訪湖周辺」、「静岡県の由比ヶ浜」の三箇所のみで、「第2東名高速道・リニア中央新幹線」は災害時交通路の補完の意味もある●地震・津波・大雨以外の災害に、山の「崩れ」がある。●砂防事業を継続しないと堰止湖で下流の平野に大災害がおきる。「鳶山崩れ」「大谷崩れ」「稗田山崩れ」が日本三大崩れ。江戸末期の地震による「崩れ」を明治・大正・昭和・平成と国家直轄で延々とケアしている。●天災には事欠かない日本国なので、八ッ場ダム・スーパー堤防・首都圏水没対策など「過去の天災」について、貴重な経験として直視して考えるべき。


想定外を想定せよ 畑村洋太郎著 2011/07/20第1刷
●「想定外」とは、単に技術者・設計者の設定した「思考範囲のそと」とのことであり、「決して起こらないとされていたこと」ではなく、単に「当該時点で考えなかった」ことである。●即ち「ありうる事は必ず起きる!=失敗は必ず起きる」●なぜ教訓となるべき失敗が想定から漏れてしまうのか?●「1:記憶の減衰・消滅」「2:失敗は、伝わらない性格をもつ」「3:人間は見たくないものを見ない」●しっかりした想定をして、事故を防いだ成功例はある●実例1「新潟県中越地震の新幹線脱線事案=阪神・淡路大震災を教訓に高架線路橋脚82000本の内15000本を補強」●実例2「釜石の奇跡=津波てんでんこ教育による釜石市内14校の小学生約3000人の99.8%が助かる」


技術大国幻想の終わり:畑村洋太郎 2015/06/20第1刷
●日本国の周囲条件として、変わらない自然と、変わる国際環境などを踏まえて、これからの進む方向性についた考えると。答えは三つ、「考え方を変える」「からくりを変える」「教育を変える」である。
●「考え方を変えるについて」:日本国は「奇跡の五十年(1945-1994)」によって国民の大多数が幸福感を享受出来る世界的にもまれに見る社会を作った。残念ながら、そこに「幸福でいられるのは当たり前だ」「努力すれば報われるのは当然だ」という大きな錯覚が生まれた。幸福な社会をつくるには、私達一人ひとりの努力が必要と考えなくなった。この、「考えの硬直化」は、最初に試行錯誤して作ったマニュアルが整備されると、次には、何も考えずにマニュアルだけを守るという主体性も責任感も無い思考停止状態が始まる。・・・これを変えなければいけない。
●「からくりを変えるについて」:ピーク時に1億2800万人の日本人口はこれから数十年かけて8000万人程度に減ると予測されている。しかし、供給出来るエネルギーや食料を考えると案外バランスの良いところかもしれない。必要なのは、対応して「社会のからくり」を変えていくことである。例えば電子カルテ・マイナンバーとか医療・介護・年金など効率化の余地はありそう。インフラの老朽化も問題だが、従来の大量生産・大量消費と異なり、継続性重視の考え方で「社会のからくりをかえる」ことになる。
●「教育を変えるについて」:考え方を変えるにせよ、社会のからくりをかえるにせよ、最終的には人材の育成に行き着く。今の日本の教育での問題点は次の二点。その1は、親の所得で受けられる教育の程度が変わること。その2は、すでに時代に合わなくなった教育カリキュラムの見直しが遅い。
変化の著しい時代に、変化に応じて柔軟に対応できる人材の育成が不可欠。
残念ながらこういう人材は、明治以来の『知識重視、記憶力重視で、決まったことを正確に行う』教育では育成できません。これからの日本(の企業)が世界で存続して行くのに必要なのは『自分自身で状況を把握し、自分なりの考えをつくることができる人材』です。
だれも正解を知らない、まだ見ぬ価値を産み出すためには、自分で考えて、自分で行動する人を育成することが致命的に重要です。
このような人々が社会の核となるところで活躍するようになったら、日本は変化に強い、世界の中で大活躍する国へと再び生まれ変わることができるのではないでしょうか。


更に、城北会において『昭和34年卒50周年記念行事・実行委員会』が設立され、

『S34卒50周年記念講演会・福島原発事故調査・検証を終えて・畑村洋太郎』

が2013年3月16日、戸山高校において開催されました。
  講演の中で、 『電源喪失した暗黒の原発内で自分たちの自動車のバッテリーを担いでき て計器を読み取るなど、自己に付託 された使命を考え、主体的・能動的に行動した素晴しい人々の御蔭で今がある』とか 『事故発生直後に、オフサイトセンターから放射線量増を理由にセ ンター員が 避難したが、実はセンターの放射線防護の予算は3年前から確保されており総務 省が毎年防護実施の注意喚起をしたにも関わらず、実施しないと言う不作為があった』とか 『9.11米国の同時多発テロのあとで、米国から非常用発電機とコンプレッサー準備の必要性が機密保持のため口頭で助言されたが上部に伝達しない 傲慢があった』など、『各人一人ひとり、に付託された責任』を問ぅお考えが述べられました。

記念講演録音の一部書き起こし

戸山の表紙ギャラリーより「畑村洋太郎著作データベース検索結果」 表紙画像が表示されない場合は、リンク先Amazonからお好みの品物を購入下さい。二日位で回復します。

追加情報: 特別対談 畑村洋太郎×加藤陽子 「福島原発事故から何を学ぶか 2013.04.13」